簡単に説明しよう。
このストーリーは、お尻のあ◯を舞台とした、一人の中年男性とドクターKとの甘く切ない物語である。
2021年冬
ついに今日、運命の検査の日がやってきた。
俺はここ数日、ケツ◯の謎を解明するため、ネットサーフィンに没頭していた。
「お尻 血 なぜ」
「ポリープ 画像」
「大腸カメラ 痛い」
「おっぴろげ黄門様」
「この黄門が目に入らぬか」
「8時だよ!全員大腸カメラ」
検索履歴が公になれば、社会的に終わるレベルのワードばかり。
でもそんなの気にしていられない。
俺のケツ◯がかかっているんだ。
知識を得るたびに不安は膨れ上がり、ついには奇妙な決意が生まれた。
「ウォシュレットで清めてから行こう」
まるで神社に参拝する前に、手を水で清めるように。
そうだ。ケツ◯は清めておくに越したことはない。
よし!強めで、ON!
ひゅん
あまりの水圧に俺は思わず飛び上がった。
「あわあわあわあわあわあわ」
自ら選んだ水圧に、小鹿のように膝が震えていた。
「あはぁ〜強ってこんな強いんだぁ…」
そう感心しながらズボンを上げ、俺は戦場とも言える病院へ向かったのだった。
ポーン
『368番の方、17番へどうぞ〜』
番号が呼ばれると同時に、俺の胃袋がキューっと縮んだ。
「いや、今日は覚悟を決めてきたんだ」
自分にそう言い聞かせながら、部屋に入った。
『た、玉木です…』
俺はか細い声で名乗った。
すると目の前に現れたのは、50代後半くらいであろうずんぐりむっくりの女医。
「あっち系」と呼ばれるドクターにしては、やけに貫禄がある。
『どうしたの?多々巻さん』
彼女は淡々と尋ねた。
『あのぅ、多々巻ではなく玉木です』
俺は訂正した。
女医は気にする様子もなく、続けた。
『あっそ、それで?』
『あ、はい。お尻のあ◯から血が止まらなくてですね…いつもティッシュに付くんです』
俺は冷静を装いながらも、女医の威圧感に冷や汗が止まらない。
『あらそう。それじゃあ、ちょっと見てみましょうか』
女医は早口でそう言いながらゴム手袋を装着した。
『ほら、見せて』
女医は強い口調でそう言い放った。
俺は一瞬躊躇した。
『あ、はい、見せるのですね…』
ここまできて逃げるわけにはいかない。
『ほら、早くズボンを下ろして、ほら、リラックスして』
リ、リラックス?
こんな状況で、どうやってリラックスしろと?
しかし、この空気では逆らえない。
俺は覚悟を決めた。
ズボンとパンツを下ろし、屈辱的なポーズを取った。
その姿はまるでワンちゃんの様であった。
『ふむふむ…あら、あら、黒々として立派ねぇ』
黒々?立派?
俺の黄門様を観察日記のように評価しないでくれ!
だが何を言っても、まな板の上の鯉。俺は耐えた。
『でもねぇ、これは奥を見ないと分からないわね』
女医は言った。
奥!?
『来たーーーーー!』
織田裕二の声が脳内をよぎった。
つまり大腸カメラだ!
そう、今日はそれをやるために来たのだ。
『あの…カメラを…おねが…』
俺がたどたどしく言いかけると、女医は面倒くさそうに手を振った。
『ごめんなさいね。私、大腸カメラは得意じゃないのよ。肛門科だからさぁ』
肛門科?
じゃあ何で大腸カメラの話が出たんだ?
『本当はK先生という先生が担当予定だったの。でも今日はお休みなのよね』
『私も雇われの身だからさぁ、カルテが回ってきたら断れないじゃんね』
俺は愕然とした。
K先生とは一体何者なのか?
『まぁ、今日のところは外から確認できたから。次回K先生に中身を観てもらいましょうね、ふふ』
女医は、両手の人差し指でたどたどしくパソコンを叩き、次回の予約を確定した。
『じゃあまた来週来てね〜。お大事に〜』
女医は何故か満足気であった。
俺は肩を落としながら部屋を出た。
会計を済ませ、病院の帰り道。
冬の冷たい風が俺の尻◯をスースーと吹き抜ける。
何だったんだ、今日の検査は?
ただ屈辱的なポーズで黄門様を観察されただけじゃないか。
俺のケツ◯問題は、まだ終わらない。
誰が予想しただろうか。
次回こそ、K先生との直接対決に期待するしかない。
まさに、穴を舞台としたアナザーストーリー。
つづく


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