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以下本文
え~っと、一人です
ヒトカラで来ました
一人でカラオケしたいのですが
一人では初めてなのですが一人で歌えますか?
俺は店の駐車場で何度もシュミレーションを繰り返した
店に入ってカウンターでなんて言っていいのか分からない・・・
もし店員に笑われたらどうしよう・・・
いい歳した男がヒトカラなんて
キモーいとか話題になったらどうしよう・・・
2年前の俺はとってもピュアだった
とてもドキドキした(#^.^#)
店に入ると若い女性の店員が出迎えてくれた
いらっしゃいませ~
俺は緊張して全身が熱くなった
あ、あの~一人なんですが・・・
蚊の鳴くような声でつぶやいた
女性店員はちょっと微笑みながら俺に説明を始めた
ドリンクバーにしますか?
ワンドリンクにしますか?
お時間はどうされますか?
ライブダムにしますか?
ジョイサウンドにしますか?
おタバコ吸われますか?
割引チケットありますか?
今ならおつまみが100円ですがいかがいたしますか?
英語を話す外国人の様な店員の攻撃をかわすことができずに全て食らった
この当時の俺はピュアで恥ずかしがり屋さんだった
あ、それでおねがいします
店員は困った顔をしながら201を案内してくれた
とりあえずよくわからないけど、第一関門は突破した
汗ばんだ額をハンカチで拭い、意味もなく身の回りを片付け始めた
カラオケからジョイサウンドの宣伝が流れる中、俺はそわそわして仕方なかった
入口のドアを開けて廊下を見てみた
誰もいない・・・
視線が気になる・・・
店員が急に入ってきたらどうしよう( ;∀;)
とても落ち着かない
俺はあまり使ったことがないデンモクを意味もなく触りながらふと思った
もしかしたら
この部屋防犯カメラで見られているかも
俺の思考は異常だった
俺は天井を見渡したり
機械の周辺を覗き込んだりした
もしかしたら
換気扇の隙間に仕掛けてあるかもしれない・・・
どうしよう・・・
どうしよう・・・
俺は歌どころではなかった
もう一度ドアを開けたてみた
人が歩いていた
俺は慌ててドアを閉めた
落ち着け・・・落ち着け・・・
つばを飲み込んだ
俺は24のジャックバウワーの様に大きな組織と戦っていた
刻々と刻まれる時間
そして一人で部屋の中にいるこの緊張感
となりから楽しそうに歌声が聞こえる
俺は待合室で診察を待っている患者のようであった
とりあえず歌を入れよう・・・
俺は慣れない手つきでデンモクを操作して選曲した
中西保志「最後の雨」
曲が流れた
初めて曲
初めてのヒトカラ
なのに、曲は最後だった
イントロが流れた
あーーあーーーー
オホン オホン てーすてーす
なぜかマイクテストをしていた
声が裏返りながら、横目で入り口を見ながら歌った
最初の曲なのに最後の雨を歌い切り思った
ヒトカラ余裕!
なぜか歌い切った俺は自信満々だった
俺は初めて路上教習を終えた教習生の様な達成感が全身を覆った
こなれてきた俺は立って歌ったりしていた
プルルルルルルル・・・・
ビクッ( ゚Д゚)!!!
俺は突然の電話音に飛び上がった
まさに突然後ろから浣腸をくらった学生の頃の様な衝撃を覚えた
俺は電話にでるなり延長どころではなく帰ることにした
こうして俺はめでたくヒトカラデビューを果たしたのである
少し前にFacebookをやり始めた俺は、ヒトカラデビューをアピールしたいと思った
そして慣れない手つきで自撮りをして投稿したのである
あれから2年が経ち、俺は成長した
最初は、こんな弱っちい男が今ではこうなった
そう、誰でも皆最初はこんなもの
大切なのは新しいドアを開けて一歩踏み出すこと
そこに素晴らしい世界が待っているから




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