ドクターK物語 第7話

簡単に説明しよう。

このストーリーは、お尻のあ◯を舞台とした、一人の中年男性とドクターKとの甘く切ない物語である。

2021年冬

カメラは終点の盲腸へ、千代田線で言うと代々木上原に向けてグイグイと進んでいた。

俺は、診察台の上で干からびたカエルの様な格好で、頭の中が真っ白になっていた。

カメラは今まさに俺の腸内をingで進んでおり、K先生の興奮した声だけがingで部屋に響いている。

『いいよ、多々巻さん、その調子、あぁあぁ、いい』

俺は、もう半ばヤケクソになって目をつぶっていた。

むしろこの串刺しの状態では、抗う事などできるはずもなく、言われるがままじっとしているしかなかった。

K先生は楽しそうだ。

『ここがS字結腸だよ〜、わぁお!ここ横行結腸ね、ひゃっほ!ここは上行結腸でさ〜、そしてこの列車は終点の盲腸に向かってまーす、なーんてね。』

『あぁ、綺麗なピンクだねぇ』

とりあえず、電車に例えると、腫瘍があった綾瀬から終点代々木上原までは異常は無さそうだ。

「問題は、綾瀬で見つけたあの異形物の正体か。」

K先生は、モニタを楽しそうに見ながら、カメラを押したり引いたりしていた。

腹が圧迫感で苦しい。

しゅぼーしゅぽーずびゅびゅびゅ〜

カメラから空気や水が噴出している激しい音とモニタの映像が生々しい。

『あれ?腫瘍無くなったか?』

K先生は言った。

俺は、意図しなかった先生の言葉にときめいた。

「あ、あったあった。ごめん、行き過ぎてた。」

K先生の無責任な憶測の言葉に、一瞬にして落胆した。

「てか、どこ見とんねん!」

思わず心の中で関西弁で突っ込んだ。

モニターにはあの異形物が映し出されている。

『で、でかい。』

現在、綾瀬で停車中。

だいぶ長い停車になりそうだ。

玉虫色に光るその塊は、どこか生物的で不気味だった。

『ほら、見て、多々巻さん、これ見える?』

モニタいっぱいに写し出されている腫瘍を見て、投げやりに答えた。

『そりゃまぁ、デカいですね。』

そりゃ見りゃ分かるだろ、何を言ってるんだこの先生は…。

しかも、俺は多々巻じゃねぇし。

俺は何度も心の中でツッコミを入れたが、カメラがケツ◯に入っている関係上、刺激しないように口には出さなかった。

突然、K先生は俺の肩に手を置いて尋ねた。

『取る?』

え!?まさかの

聞くか?俺に!

俺は答えた。

『と、と、取る以外に、せ、選択肢はあるのでしょうか?』

K先生は僕の耳元に顔を近づけ囁いた。

『ない。』

俺は、尻あ◯がキュッと閉まった。

『な、無いんですね?なら聞かないでく、うっ!』

K先生は俺の言葉を遮る様に、カメラを360度一回転させた。

俺はあまりの衝撃に叫んでしまった。

『ひぃぃぃぃぃ〜ぃぃぃ』

綾瀬で立ち往生している我々の時はいたずらに流れ、家路に帰る乗客達は先の見えない展開に不安だけが募っていた。

K先生は、相変わらず楽しそうに俺を見つめていた。

『何て日だ!』

モニタに映し出された異形物の先端が、一瞬小峠のハゲ頭に見えた。

まさに、穴を舞台としたアナザーストーリー。

つづく

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