簡単に説明しよう。
このストーリーは、お尻のあ◯を舞台とした、一人の中年男性とドクターKとの甘く切ない物語である。
2021年冬
『さぁ、始めようか』
K先生の声がモニター越しに響く。
俺の視線は、玉虫色の異形物に釘付けだった。
不気味に光るそれは、腫瘍というより、未知の生物のような存在感を放っている。
まるで、俺に戦いを挑んでいるかのようだ。
憎ったらしい表情でこっちを見ている。
ムカつく
俺は不安を助長する腫瘍に、ある種殺意が込み上げてきた。
いざ、切除開始
ラウーンドワン!カーーーン
心の中で戦いのゴングが鳴り響いた。
俺はケツ◯を引き締めた。
K先生は、いつになく神妙な表情で言った。
『まずは、多々巻さん、根元を確認するね。』
K先生はモニターをじっくり見つめ、外科医の先生らしくカメラをゆっくりと腫瘍の周囲に動かした。
『あー、なるほど、なるほど、なるほど、なるほどね。』
どこかで聞き慣れたギャグだが、いまいち芸人の名前が思い出せない。
気を紛らすためにも、目をつぶり芸人が誰かを思い浮かべてみる。
そんな俺を横目に、K先生は相変わらず楽しそうにしている。
K先生は言った。
『今のギャグは、結構患者にウケるんだよね〜。今年のマイベストギャグ。』
俺は、K先生にもて遊ばれている。とそう確信した。
俺は、怒りを抑えながら強めの口調でK先生に言った。
『先生!早く、取るなら取ってください。』
K先生からは全く返事はなかった。
俺はモニタの映像しか見れない体制なのため、K先生の表情や心境は全く分からない。
沈黙が続く。
体内時計で30分位の時間の沈黙の流れを感じた。
一向にK先生はアクションも起こさないし、全く言葉も発しない。
俺の不安は最高潮に膨れ上がる。
『あっ!』
K先生は突然叫んだ。
俺のケツ◯は梅干し婆さんのように一瞬で縮こまった。
『FUJIWARAの原西だ!』
俺は、ショックにより芸人の名前を思い出したのである。
てか、K先生、どうしたんだ。
俺の不安はとうとうエベレスト山頂に達した。
まさに、穴を舞台としたアナザーストーリー。
つづく


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